胸腺腫治療ナビは、症状があまり出ない『胸腺腫』の腫瘍やがんの治療方法や分類について調べています。
前胸部の胸骨の裏に胸腺(きょうせん)と呼ぶ臓器があります。胸腺腫は胸腺から発生した腫瘍(しこり)で、がんの一種です。胸腺腫は胸腺の周囲で増大する事が多く遠くに転移することはあまりありません。症状もあまり出ない事が多く、健康診断等で偶然異常が見つかることの多い疾患です。
胸腺腫は以下のように分類されます。
・非浸潤性胸腺腫(ひしんじゅんせいきょうせんしゅ)
・浸潤性胸腺腫(しんじゅんせいきょうせんしゅ)
・胸腺がん
非浸潤性胸腺腫は以前は良性胸腺腫と呼ばれていました。
非浸潤性とは、胸腺腫が皮に包まれて周りに癒着を起こしていない状態、つまり心臓や肺には癒着をしていないという状態です。
早期発見の段階での胸腺腫で、手術を受ける事でほとんどのケースが治ります。
浸潤性胸腺腫は以前は悪性胸腺腫と呼ばれていました。
現在では胸腺腫はすべてがんの一種と考えられていることから「悪性(がんである)」といった言葉は使いません。
また、非浸潤性と違い浸潤性とは、皮や周囲の臓器(心臓や肺)に癒着していると言う意味で、非浸潤性より進行した胸腺腫になります。
胸腺がんは、現在では胸腺腫と違う病気として扱われていますが、胸腺腫の中の非常に性質の悪い種類と表現すると分かり易いでしょう。
胸腺腫の治療方針は原則手術というのが通例です。
ときには放射線や抗がん剤を使用することもあります。
胸腺腫の手術は肺の胸腺全体と周囲の脂肪を切除する方法で行われます。
手術は胸の前面の皮膚を縦に切って、胸骨を縦割し、左右に開いて病変に達して行います。
皮膚に小さな傷をつけて行う胸腔鏡(きょうくうきょう)手術という方法がありますが、不完全な手術になるのであまり使用されません。
放射線療法やがん細胞が増殖するのを止めるホルモンを用いたホルモン療法、がん細胞を殺すための薬を用いた化学療法等は、臨床研究として研究されています。
胸腺腫における病期の分類は、T〜Wb期に分かれています。
非浸潤性胸腺腫はT期とされ、がんが胸腺とその袋の中にだけ見つかった時はT期とされます。
U期は、がんが胸腺や胸腔(きょうくう)の内面に浸潤している状態です。
がんが胸腺周囲の臓器に浸潤している場合はV期とされ、Wa期になると肺や心臓周辺に入って広範囲にがんが広がっている場合で、さらにWb期は血液やリンパ液に転移し更に広範囲に広がっている場合が当てはめられます。
症状の出にくい胸腺腫も、早期発見できれば治るがんです。
日頃から早い段階での病変を発見するために、健康診断を受ける習慣はつけておきたいものです。